第551号コラム:「とらわれずに物事をみつめる」
第551号コラム:丸山 満彦 監事(デロイト トーマツ リスクサービス株式会社 代表取締役社長)
監査であっても、不正調査であっても、真実にたどりつくためには思い込みを制御することが重要なのではないかと思っています。過去の経験に基づいて仮説を立て、それを確認することで、効率的に真実にたどり着くことができる場合も多いと思います。その一方で、過去の経験に当てはまらない状況なのに誤って過去の経験に基づいて仮説を立て、結局正しい結論に行きつかないということも多くあります。正しい結論に行きついていないことに気づいていたらよいのですが、正しい結論に行きついていないのに、正しい結論に行きついたと思っていると問題です。なにかにとらわれて物事をみてしまうことはよくない場合が多いと思います。
「法務・監査」分科会(第15期 第4回)
開催日時:平成31年3月11日(月) 19:00~21:00
題目:「IoTセキュリティ関連法制の近時の動き」
講師:湯淺 墾道 氏(情報セキュリティ大学院大学 学長補佐、情報セキュリティ研究科 教授、IDF理事)
第550号コラム:「仮想通貨取引の無法地帯」
第550号コラム:松本 隆 理事(株式会社ディー・エヌ・エー システム本部 セキュリティ部)
年明け早々の2019年1月8日付け産経新聞に、金融庁が金融商品取引法(金商法)の改正や関連法令を見直す検討をついに始めたという記事が掲載された。利用者保護や公正な市場をつくる観点から、金商法では金融商品を扱う事業者は正規の手続きを経た事前登録が必要となるが、同法には金銭ではなく仮想通貨で出資を受けた場合についての記載はなく、規制対象となるかは曖昧だった。昨年には実際にこの法の穴を狙った事案も発生しており、法的な裏付けがない現状では刑事裁判での公判維持が難しくなる可能性があるため、明確に規制対象とする方針で検討が進んでいると記事では述べられている。
第549号コラム:「現代社会の急激な変化に対する法律学的伝統の価値」
第549号コラム:町村 泰貴 理事(成城大学 法学部 教授)
1.現代社会の変化
社会の変化は目覚ましい。特にデジタル・ネットワークの技術進歩は目覚ましく、私たちの日常生活から産業構造に至るまで、大きく変容しつつある。
第548号コラム:「来期の東京地区以外の活動に向けて」
第548号コラム:IDF事務局員
明けましておめでとうございます。IDF事務局長の丸谷です。先週発信のコラム第547号では安冨会長が年頭のご挨拶と共に平成を振り返り、当時の情報通信社会の発展に伴い時代のニーズから必然的に2004年にIDFが設立された背景と初代会長の辻井先生、2代会長の佐々木先生のご努力と功績を述べておられました。この間、現安冨会長は、副会長として創設時からIDFの諸活動を支えてきて頂きました。平成が終わろうとしている現在、IDF創設時から現在迄、ボランティアで理事や監事を務めて頂き、IDFの分科会活動等諸活動をご教導頂いていております歴代の役員各位に本コラムの場を借りまして厚く御礼を申し上げます。また、「証拠保全ガイドライン」改訂WGを代表とする各種WGにご参加頂いております会員各位、省庁オブザーバー各位にも厚く御礼申し上げます。
「技術」分科会(第15期 第2回)
開催日時:平成31年2月26日(火) 19:00~21:00
題目:「Advanced ABC Approach for Modern Cyber Investigation(現代のサイバー調査のための「ABC」アプローチ)」
講師:吳明蔚(MING-WEI BENSON WU)氏、叢培侃(TSUNG PEIKAN)氏
(CyCarrier(CyCraft)創設者/台湾政府のサイバーセキュリティアドバイザー)
第547号コラム:「新しい年を迎えて」
第547号コラム:安冨 潔 会長(京都産業大学 法務研究科 客員教授・法教育総合センター長、慶應義塾大学 名誉教授、弁護士)
初春のお慶びを申し上げます。
みなさまにとりましてよい年となりますように心から祈念申しあげております。
おかげさまでデジタル・フォレンジック研究会は、昨年、創立15年を迎えることができました。これもひとえに会員のみなさまがたが積極的に研究会にご参加いただいたことによるものと深く感謝申しあげます。
第546号コラム:「年末のご挨拶:2018年のデジタル・フォレンジックを振り返る」
第546号コラム:上原 哲太郎 副会長(立命館大学 情報理工学部 教授)
2018年はデジタル・フォレンジック研究会にとっては15周年という節目の年でしたが、デジタル・フォレンジックという分野にとっても着実にその普及が感じられる年でもありました。昨年から今年にかけて東京地検や大阪地検にデジタル・フォレンジックの専門部署(DFセンター)が設置されたこと、昨年から今年にかけて話題になった財務省における公文書の改ざん問題や医学部入試の不正問題に関しても調査にデジタル・フォレンジックが使われたことが報じられたことなどから、一般の人々の耳にもこの言葉が伝わる機会が多かった年ではないかと思います。そこで、全国紙4紙で「デジタル・フォレンジック」という言葉が各年にどれくらい記事に現れたのか、記事データベースを利用して数えてみました。
第15期(2018年度)「デジタル・フォレンジック優秀若手研究者」表彰
「デジタル・フォレンジック優秀若手研究者賞」は、デジタル・フォレンジック研究の活性化を目的として、デジタル・フォレンジックに関する優れた若手研究者を表彰するために、前期(第14期)初めて設けられ、デジタル・フォレンジック […]
第545号コラム:「中間選挙を乗り超えた米大統領選サイバー騒動から 」
第545号コラム:西川 徹矢 理事(笠原総合法律事務所 弁護士)
1 2016年11月、ドナルド・トランプ候補は、大方の選挙民の予想を覆し、第45代アメリカ大統領に当選した。その後、早々と公約の「アメリカ・ファースト」を実践すべく、国内外で独特な「ディール」手法を駆使して大胆な政策を次々と打ち出し、予想通りというか、時に中国、ロシアをも巻き込んだ大きな衝撃を生み出しながら、本年11月8日に最大の政治的通過点である中間選挙の洗礼を受けた。結果は、ご案内どおり、上・下院で「ねじれ現象」が生じ、波乱が予想される次のステージに駒を進めた。