コラム第733号:「新国際秩序における経済安全保障と国の関与について」
第733号コラム:守本 正宏 理事(株式会社FRONTEO)
1991年のソビエト連邦崩壊後、世界のグローバル化に伴い市場経済化が進み、供給網は経済合理性が優先され、今のように複雑になりました。
一方、最先端技術の急速な進歩を背景に民生品と軍事品の区別がなくなり、経済活動がそのまま軍事技術の拡散につながる事態も増加しています。
グローバル化推進派の人々は、反自由主義経済圏を自由主義市場に組み込むことにより、最低限の国際ルールが守られ、徐々に自由主義体制に近づくものと考えていましたが、結局そうはなっていません。
現実には、秩序は守られないまま技術拡散だけが進み、広がったサプライチェーンや株主支配ネットワーク、研究者同士の人的ネットワークに大きなチョークポイントリスクが生まれてきました。
そこで、新たな世界の秩序を取り戻すため、絡み合ったネットワークを再構築する必要性が生じています。
コラム第732号:「ニューノーマル時代のコミュニケーションとセキュリティ その後」
第732号コラム:宮坂 肇 理事(NTTデータ先端技術株式会社)
昨年の東京2020五輪(オリンピック・パラリンピック)が開催中に本コラムの執筆をさせて頂いた。1年間の延期など異例尽くめの大会が開催される中、サイバー空間上もいろいろな事象は観測されてはいたが、大きな問題なく終わっている。一方、新型コロナ関連はまだまだ終息する様子がない。会社への出勤も再開し、街中に賑わいを見せている今日現在ではあるが、リモートワークを中心とした組織の活動は続いている。昨年昨今の課題の一つであるコミュニケーションとセキュリティの一考察を取り上げたが、今回はその延長で”エンゲージメント”を関連させて考察してみたい。
コラム第731号:「サイバー空間の安全に向けて: All for one, One for all」
第731号コラム:丸山 満彦 監事(PwCコンサルティング合同会社 パートナー)題:「サイバー空間の安全に向けて: All for one, One for all」 人は大きな困難に直面した時、力を合わせることによって […]
コラム第730号:「ウェアラブルカメラの捜査活用について」
第730号コラム:尾崎 愛実 氏(杏林大学総合政策学部専任講師、IDF「法務・監査」分科会主査)題:「ウェアブルカメラの捜査活用について」 報道によれば、JR東日本は、2022年4月から、夜間に勤務する駅員対してウェアラ […]
第729号コラム:「サイバー犯罪の見えない経済」
第729号コラム:松本 理事(IDF理事、株式会社ディー・エヌ・エー)
サイバー犯罪被害に関連するコストは、インシデント対応やシステム復旧、セキュリティ対策などに関わるお金の流れ、いわゆる目に見える経
済だけが全てでない。サイバー犯罪者の懐に消え、犯罪者コミュニティで循環する、追跡が極めて困難な見えない経済が存在する。今回のコラ
ムではこの「見えない経済の見える化」について取り上げてみたい。
第728号コラム:「民事判決のオープンデータ化?」
第728号コラム:町村 理事(成城大学)
このコラム欄では、新型コロナの感染拡大が日本でも始まった当初の2020年2月に、「裁判記録のオープンデータ化?」と題する一文を公表したことがある。この当時は、おりしも法学分野におけるAIのインパクトが論じられ、また民事裁判を中心とする司法IT化の議論から第一フェーズの実践が始まろうとしたところであった。そこでAIの深層学習に必要な法情報のデジタル化が民事訴訟記録にも及ぶこと、そして民事訴訟記録はもともと何人でも閲覧できる存在であることから、デジタル化された民事訴訟記録にネットワークを通じて誰でもアクセスできるという、オープンデータ化が構想されたのであった。
第727号コラム:「NFT:Non-Fungible Tokenの可能性を考える」
第727号コラム:須川 理事(新潟大学大学院)
メタバースやWeb3.0と言った言葉と共に最近良く話題に上るものとして「NFT:Non-Fungible Token」があげられるであろう。多少なりとも技術に見識のある人であれば、NFTがブロックチェーン技術を応用したもので、デジタルデータに一意のIDを割り振ることのできるものであることはご存じだと思う。つまり、NFTという技術自体はトレーサビリティを確保できるという点でデジタル・フォレンジックの重要な要素技術になるはずのものである。
第726号コラム:「米国データプライバシー保護法の討議草案」
第726号コラム:佐藤 慶浩 理事(オフィス四々十六)
米国データプライバシー保護法の討議草案が2022年6月3日に公表されました。
HOUSE AND SENATE LEADERS RELEASE BIPARTISAN DISCUSSION DRAFT OF COMPREHENSIVE DATA PRIVACY BILL https://energycommerce.house.gov/newsroom/press-releases/house-and-senate-leaders-release-bipartisan-discussion-draft-of
上記のページに草案について法条文と各章解説文が公開されています。
第725号コラム:「第12回IDF講習会、DF資格(基礎、実務者)認定試験及びコミュニティ2022等について」
第725号コラム:丸谷 俊博 理事・事務局長(IDF理事・事務局長)
今期第19期からの独立収支運営も4ケ月目に入りました。IDF事務局業務に当たる要員が前期第18期3月迄のメンバーからパート採用した要員に交代し、人数も減ったため会員等への対応においてレスポンスが遅れたり、対応にミスや漏れがあったりしたものがあると思いますが、分科会やワーキング開催、講習会やDF資格試験の開催情報と受講・受験受付をほぼ予定通り進めてくることができております。今後も何かとご不便をお掛けしたり、レスポンス等が遅くなったりすることもあるかと存じますがどうかパート要員が業務に習熟するまでご寛容頂きたくお願い致します。尚、各分科会やWGの運営は、各主査やWG座長が主導的に動いて頂いております。誠に有り難く感謝申し上げます。
第724号コラム:「オフィスと自宅の Wi-Fi 接続端末をサイバースパイから守る」
第724号コラム:名和 利男 理事(株式会社サイバーディフェンス研究所 専務理事/上級分析官)
昨年から今年のかけてのある時期において、特殊性が高いと思われたセキュリティ事案が、調べていくうちに想定以上の規模で被害が発生していたことが判明した。その被害組織から要請を受ける形で、筆者が対処および再発防止の支援を行い、すでにクローズしているものであるが、その後の被害組織とのディスカッションの中で、判明した手口により被害を受け続けている組織が国内に相当数存在しているのではという疑念が湧いてきた。そこで、被害組織から大変有難い許可をいただき、本コラムで紹介させていただくこととなった。
筆者としては、被害組織の利益保護を最優先するポリシーで支援活動に臨んでいるため、事案発生の時期・場所、組織の業種・規模などは一切触れず、第三者からご質問に対してお答えすることはないことを了承いただきたい。